最高裁判所の保有する司法行政文書の開示等に関する事務の取扱要綱

最高裁判所の保有する司法行政文書の開示等に関する事務の基本的取扱いは,下記による。

この取扱要綱は,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「情報公開法」という。)の趣旨を踏まえ.司法行政文書の開示についての運用の基本を定めるものである。

1(定義)
 この取扱要綱において「司法行政文書」とは,最高裁判所の職員が職務上作成し.又は取得した司法行政事務に関する文書であって,最高裁判所の職員が組織的に用いるものとして,最高裁判所が保有しているものをいう。

2(開示の原則)
 最高裁判所は,その保有する司法行政文書の開示を求められた場合は,何人に対しても,当該司法行政文書を開示するものとする。ただし,次のいずれかに該当するときは,この限りではない。
(1)法令に別段の定めがあるとき。
(2)開示を求められた情報が,情報公開法第5条に定める不開示情報に相当するもの(裁判事務の性質上,公にすることにより,その適正な執行に支障を及ぼすおそれのある情報を含む。)であるとき。

3(部分開示)
(1)開示を求められた司法行政文書の一部に2の不開示情報が記録されている場合において,当該不開示情報を容易に区分して除くことができるときは,当該部分を除いた部分につき開示するものとする。ただし,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りでない。
(2)開示を求められた司法行政文書に情報公開法第5条第1号の情報に相当するもの(特定の個人を識別することができるものに限る。)が記録されている場合において.当該情報のうち,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは,当該部分を除いた部分は.同号の情報に相当するものには当たらないものとみなして,(1)に定めるところによる。

4(公益上の理由により開示を行う場合)
 開示を求められた司法行政文言に不開示情報が記録されている場合であっても,公益上特に必要があると認めるときは,開示を求める者に対し,当該司法行政文書を開示することができる。

5(司法行政文書の存否に関する情報)
 開示を求められた司法行政文言が存在しているか否かを答えるだけで,不開示情報を開示することとなるときは,当該司法行政文害の存否を明らかにしないで,開示しないことができる。

6(情報開示の受付部署)
 司法行政文書の開示に係る受付事務は,秘書課が行う。

7(開示の手続等)
(1)司法行政文書の開示を求める者に対しては,その者の氏名及び連絡先,開示を求める司法行政文書の名称等司法行政文書を特定するに足りる事項を記載した書面の提出を求める。
(2)司法行政文書の開示を求める者が文書の特定のための情報の提供を求める場合は,参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

8(開示の申出に対する対応)
(1)開示を求められた司法行政文書の全部を開示する場合には,開示を求める者に対し,その旨を開示の日時,場所及び方法とともに,適宜の方法で連絡する。
(2)開示を求められた司法行政文言の全部又は一部を開示しない場合には,開示を求める者に対し,書面でその旨を連絡する。当該言面には,開示しない理由を簡潔に付記するものとする。
(3)(1)又は(2)の連絡は,開示の申出のあった日から原則として30日以内に行うものとする.

9(第三者に対する意見聴取)
(1)開示を求められた司法行政文書に裁判所以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されている場合において,2に定める不開示情報に該当する事由の存否に疑義があるときは,当該第三者に対し,開示についての意見を求めるものとする。
(2)(1)により意見を求められた第三者から当該司法行政文書の開示に反対する意見が提出されたにもかかわらず,これを開示するときは,開示に先立ち,その旨を第三者に通知するものとする.

10(開示の実施)
(1)司法行政文書の開示は,閲覧をさせ,又は写しの交付を求める者に自らの費用で謄写をさせることにより,これを行う。ただし,閲覧の方法による場合において,当該文言の保存に支障を生じるおそれがあると認めるとき,その他正当な理由があるときは,その写しにより,これを行う。
(2)開示を求められた司法行政文書の開示より別の司法行政文言の提示又は情報の提供をする方が開示を求める者の目的に沿うと認められる場合は,これらの文書又は情報をもって開示の対象とすることができる。
(3)開示の実施は,司法行政文書の全部又は一部を開示する旨の連絡があった日から原則として30日以内に行うものとする。ただし,開示の準備により事務に支障を生じるおそれがあると認めるときは,この限りでない。

11(苦情の申出のある場合)
(1)開示の申出を受けた裁判所(以下「原裁判所」という。)が司法行政文書の全部又は一部を開示しないことについて,開示を求めた者から,最高裁判所に苦情の申出がされた場合には,最高裁判所は,原裁判所が開示しないことの当否について判断する。
(2)最高裁判所は,原裁判所が当該司法行政文書の全部又は一部を開示しないことが相当であると判断したときは,その旨を申出人に連絡する。
(3)最高裁判所は,原裁判所が当該司法行政文書の全部又は一部を開示しないことにつき相当でないと判断したときは,原裁判所に是正の指示を行うとともに,その旨を申出人に連絡する。この場合において.原裁判所は,申出をした者に対し,是正の指示に沿った形で司法行政文言を開示する。
(4)(2)及び(3)の対応は,申出のあった日から原則として30日以内に行うものとする。
(5)苦情の申出に係る受付事務は,秘書課が行う。

付記
この取扱要綱は,平成13年4月1日から実施する。
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