ぼくの気持ち

ぼくは日本が好きだ
ただの好きじゃない 愛してる
それはもう 深い「好き」
この国に住む人が 
みんなしあわせになることを祈るぐらい

ぼくは日本が嫌いだった
ぼくは家族も嫌いだった
ぼくは家を 日本をとびだした

イギリス アメリカ フランス 
インド タイ ネパール

いくつかの国をあるいた
みんなみんなやさしかった
どこの国もそれぞれに
いろんな問題をかかえて

ぼく みんなのことが好きになった
どこの国も好きになった
世界中の国の 会っていない人も好きになった
それはもう 世界中の人がみんな
今より幸せになることを祈るぐらい

ぼくは旅の中で
ぼくはいつでも日本人だった
日本の外から日本をみた
いいところ いっぱい
わるいところも いっぱい

ぼく いつのまにか 日本を愛してた
病理をいっぱい抱えた日本
政治家官僚業界 権力者たち
少しの人間がなんでも決めて
自分たちに都合がいいように
ぼくが愛する日本を操縦してる

でもぼくは
それでもぼくは 日本を愛してる

これはぼくの愛国心
ぼくだけの愛国心

まるさんかくしかくろっかけい
無限にある、愛のかたち

みんなが人生という旅の中で
見つけて育てる それが愛

日本をきらいな人だって
いつか きづいたら いつのまにか
好きになってるかもしれない

だからおねがい
おなじかたちの愛国心を
学校で教えないで

国が決める
「こんな愛国心をこんなふうに教えること」
同じ歌を幾度も歌い 同じ旗を幾度も眺める
それによってできあがる それは一体なんだろうか

記号化された愛
それは愛じゃない

愛は国のものじゃない
国から教わるものでもない

愛はそれぞれの人のきもち
だからそれぞれがかたちをつくればいい
それは自由だろう?
それはぼくの
ぼくたちの権利だ

ちょっとずつ 危険な方向へ
ちょっとずつ 操縦しやすく

変わっていく日本
変えられていく日本

ぼくはそれを止めたいんだ

ぼく?ぼくはいま
父さんと母さんと姉さんがいて
ぼくはみんなとしあわせに
しあわせに暮らして
ウィンドウを閉じる