『国際青年宣言』(www.9-11peace.org/)は、ジュネーブに住むオリビアさんが中心となり今回アメリカで起こったテロに『非暴力で応えるようブッシュ大統領に請願』する宣言です。
暴力で問題を解決するのはいけないこと、力でねじ伏せるのはいけないこと、そしてそれでは根本的な問題の解決とはならないことがはっきり述べられています。
世界中の青年に呼びかけをして、10月1日現在、アメリカを含む世界各国から234団体47万6833人・個人418人の青年たちがそれに応え参加しています。(アムネスティ・インターナショナル ドイツなどを含む)
子どもと法21もこの宣言に参加しました。

問い合わせ先
Olivia Martin
olivia@ipb.org
Youth Programme Coordinator
The Hague Appeal for Peace  http://youth.haguepeace.org

国際青年宣言

世界の青年が、テロリズムに非暴力で応えるよう請願します。

親愛なる大統領殿

世界中の青年たちが構成する多数の団体を代表して、9月11日に起こったニューヨーク、ワシントン、ピッツバーグでの事件に深い悲しみを抱いていることをお伝えします。私たちはこのつらく悲劇的な事件で犠牲となられた、家族、友人に心から祈りをささげたいと思います。私たちは、この事件を一般市民に向けられた残酷で狂信的な非常識な(無分別な)攻撃であると考えています。その意味でこの攻撃を強く非難しています。

このひどい攻撃はいかなる状況からも、正当性化することはできません。罪のない市民に向けられる攻撃は、いかなる場においても許すことはできません。そして、私たちはテロリズムを撲滅するためにともに協力して断固立ち向かいます。『国際平和の日』に合衆国を攻撃したのは『国際的な協力』に攻撃をしたと考えます。この災害に立ち向かう最善の方策は、平和な国々が連携することだと考えます。平和を愛し命を慈しむ世界中の青年を代表して、アメリカ政府に自制をもとめ、罪のない市民が新たに血を流し犠牲となるような行動をとらないように請願します。私たちはまた、軍事攻撃が世界戦争を引き起こしかねないと心から危惧しています。

この不法行為に伴う痛みや悲しみのために、報復に向う気持ちも理解できますし、同時に、この攻撃のためにひどく傷ついた人々の感情に答えるべく、アメリカ政府が感じているプレッシャーをも理解しているつもりです。しかし、暴力に無差別攻撃で答えれば、死、苦しみ、憎悪は繰り返され、終わりがないと歴史が何度も証言しています。As M.L.キング(Martin Luther King 1929-68黒人運動指導者)氏は目には目をという形の報復はみなを盲人にしてしまう(暴力的報復はすべての人を誤った判断に引きずりこんでゆく)と言いました。私たちはまた、アメリカの行政当局は罪を犯している人とそうでない人と区別する必要があると考えています。

アメリカの行政当局は現在、私たちや、世界中の文明国の人々が主張する民主主義および自由が掲げる高い理想を私たちに代わって掲げるのか - または、私たちが戦おうとしているテロリストと同じ立場に私たちを立たせるのかという選択を迫られる大変特別な局面に立っています。

テロリズムに対して『終わらせれば、いかなる手段も正当である』と考えれば、テロリズムの論理に巻き込まれることになります。

大統領、十分に考慮し、アメリカ国民とその他の民主国家に真のリーダとして、模範となるように正義にかなう暴力に代わる方策をご検討くださることを要求します。大多数が罪のない人々であり、その人々が暮らす国家に報復戦争を仕掛ければ避けられない犠牲を生むことになります。その重大性を考え、結論を出してください。青年として、そのような報復によって罪もない青年や子どもたちが犠牲となってしまいかねないことをお考えくださるよう強く望みます。攻撃を受けた国々の子どもたちは成長し、アメリカを嫌うようになるでしょう。そしてそのアメリカを嫌う人々の中から将来テロリストとなる人が出るかも知れません。

私たちは当然、9月11日に罪もない人々に向けられた大規模な攻撃に怒りを感じています。しかし、私たちは怒りを越えて、歴史の重大な局面にいることを理解しています。そして、特に大統領あなたは、歴史の中で特別な岐路に立たされています。私たちは、『テロリズムに非暴力で応えれば』多数の罪のない若い人々が憎しみを抱くことを防ぎ、それゆえに暴力と破壊という悪循環を断つことができるという機会に遭遇しています。

このことから、『すべての人々に平和をもたらす支援を行う世界』を創造することを要求します。私たちは行政当局の方々に私たちの声を聞いていただけるよう要求します。そして、

○苦しみと怒りの状況下で、単に復讐を望む人々の気持ちをなだめるのではなく、正義をもとめる。私たちが守る民主主義に基づく法的救済方法を調査する。
○民主的な国々、国連と一体となって、地球、私たちの存在を脅かすことがなくなるまでテロリズムの問題点を明らかにして、少しずつテロリズムがなくなるようにする。
○凶悪な行動を引き起こすテロリズムの根底に流れる原因をアメリカの外国政策のポリシィーに基づき深く調査する。言い換えればアメリカの外交政策と彼らを怒らせる憎悪の根源、また、世界にはびこる不公平と不正という観点から検証する。


そして私たちは最後に、大統領に『憎しみや怒りは、決して地球や私たちの心を癒すことにはならない』ということを思い出していただきたいと思います。愛と同情が人々を癒すことができ、きっと癒してくれることでしょう。

大統領、私たちはあなたの手に委ねられた選択の重要性を承知しています。私たちは人間として一体となってこの局面を乗り切るために協力しあう『青年たちの繋がり』をもったことをお伝えします。

私たちは今、そしていつも協力しあっています。世界に平和と正義をもたらすために努力を払う、私たち『青年の繋がり』に加わってください。私たちは、大統領が私たちの声を聞いてくださり、正しい選択をしてくださると信じています。

(訳 相澤恭子・平山由美子)
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